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根と神経の治療

MTAセメントは近年の歯科治療に革新をもたらした歯科材料のひとつです。
順を追って使い方を説明していきます。
まずひとつは深いむし歯を治療する際に使用するパターン。
今まで多くの歯科医師が出来るだけ神経を取らないで深いむし歯を治す方法はないだろうか?…と色々模索して来ました。
過去の治療法で有名な物は、
3-mixあるいは3-mixMP法
ドックベストセメント
だと思います。(もう時代遅れですね。)
3mixは、基本的には数種類の抗生剤を混ぜた物をむし歯の上に敷き、その抗菌作用によってむし歯菌を死滅させそれ以上進まなくしてしまおうという物。
ドックベストセメントは、セメントの持つ"銅イオン”により抗菌効果を狙った物です。
両者とも日本国内での保険治療に於いて認可が降りていないので自由診療扱いになり、その上に詰めたり被せたりする治療も自費になります。
「良い物であれば使った方が良い!」のですが、さすがに長い間の経過を追うと期待していたほどの効果は無く、「患者さんに高いお金を払ってまで使用する物ではないなぁ。」というのが正直な感想です。
誤った捉え方になるかもしれませんが、ちょっとでも自由診療を増やして、患者さんから治療費を多く貰いたい歯科医師にはウケが良かったと思います。
効果については全否定はしません。
何故なら、「あるふぁ歯科」では別の使い方で3mixは今でも使用しているからです。
ドックベストに関しては、それなら昔から国内にあったカッパーシールセメントで充分だったはずなのでわざわざ自費診療にする意味は無いと判断しています。
MTAセメントはこれらと全く作用機序が異なりますが、患者さんにとっては多少高価な治療となっても非常に有益であると判断しています。
現在では様々な改良品が開発され、今後ますます楽しみな歯科材料となっています。
日本の歯科保険治療最も効率が悪く採算が合わないものが"根管治療"でしょう。(あくまでも真面目にやった場合です。)
少し前までは、同じ診療所内で同じ歯科医師が行うのに保険の根管治療と自由診療の根管治療があることに同じ歯科医師としてもの凄く“違和感"を感じていました。
しかし長い間続いてきた歯科保険診療の改定内容を考えると、もうこの国自体が歯科医療を見捨てているようにも思えます。
以前もお話ししたように、患者さんに判り安いようにラバーダム防湿やマイクロスコープを保険治療と差別化して行い自由診療に誘導する歯科医師が増えているようですが、実は本当の“武器”になるのはMTAセメントなのです。
MTAセメントは高いPH(強アルカリ)になる為に、目に見えない複雑な根管の中のバイ菌を死滅させる効果が期待できます。
また、象牙質は非常に細い管状構造をしている為に本来根管の封鎖は難しいのですが、MTAセメントの粒子は更に小さいので中に入り込み素早く硬化して硬組織を形成し高い封鎖性を保ちます。
この事は、ラバーダムの説明でお話ししたマイクロリーケージを防ぐためにも根管治療の中で大切な課題なのです。
したがって、適切な根管洗浄の後にMTAセメント根管を封鎖することが現在では最も理想的な治療法と言えます。
付け加えて、今日の保険材料の中でこんなに有効な根管材料はありません
そして残念ながら日本の保険診療ではMTAセメントによる根管治療は認可されていません。
私が個人的にずっと前から望んでいるのが、このMTAセメントの保険治療導入なのです。何故ならMTAセメントを使用して根管治療を行なった場合は、必然的にそのあとの被せ物まで自由診療扱いになってしまうからです。
MTAセメントによる根管治療は、ご相談ください。
当歯科医院では1根管¥10000にて行います。
前歯、小臼歯:¥10000〜¥20000
大臼歯(奥歯):¥30000〜¥40000

実は、インターネットで保険治療をしている日本の歯科医師が行う根管治療の成功率が50%以下と言われている背景には、時代によって治療方法や使用する薬液そして治療に使う器具が全く違うという語られていない理由があります。

現役で治療をしている歯科医師の中には80歳を越えた先生もいますし、20代の先生もいます。

当然、昔のままの知識で治療を行なっていれば、根管治療の成績が悪くなるのは当たり前なのです。それを無視して無作為に選ばれた患者さんの治療の統計データから50%以下の成功率しかないと結論づけるのはあまりにもずさんだと思います。
ちなみに私が大学を出た当時に歯科大学で教えられていた治療方法は薬液洗浄側方加圧根充でしたが、現在のような超音波洗浄やニッケルチタンファイル、スーパーボンド、垂直加圧根充やMTAなどを使用した治療に比べたらおそらく成功率は半分以下になってしまうでしょう
また、私が開業した20数年前で垂直加圧根充をしていた歯科医院は周りを見廻しても私の歯科医院以外ほぼ無かったと思います。
ラバーダム防湿を"売り"にしている色々な歯科医院のホームページを見ると皆さんそろって「海外の歯科医師では一般的になっている」とか「アメリカの歯内療法専門医は100%している」とか書いています。しかし、それは事実とは違うようです。
また、それらの歯科医院ではほとんどの歯科医師が何故か自由診療の歯内療法を勧めています。
MORITAのDENTAL PLAZA(歯科関係者しか閲覧できませんが…)の中では歯内療法専門医の先生が次のように書いていますね。(2016年の記述です。)
根管治療時にラバーダムを必ず使用すると回答した一般歯科医師は5.4%、
日本歯内療法学会会員でも25.4%という報告があり、残念ですが日本におけるラバーダム使用率はそう高くありません。
 じつは諸外国に目を向けると、日本と同じように「本音と建前」のようなラバーダム使用率が浮き彫りになっています。
イギリス30.3%、スウェーデン67%、アメリカ58%、などなど……。
(根管治療でラバーダムを「必ず使用している」と回答した一般歯科医師の割合)
 まぁ、この記事は「日本ではもっと少なく5%ほどしかやっていないからなるべくしましょう」という啓蒙の内容ですが…。
歯科の相談サイト「歯チャンネル」でも
以前ラバーダムの話題がありました。
https://www2.ha-channel-88.com/soudann/soudann-00006220.html
私はラバーダム防湿の利点を否定はしません。
ただ、ラバーダム防湿をしない歯医者は根管治療の成功率が低い歯医者とレッテルを貼ろうとする流れは間違っていると思います。
それならば、歯内療法や抜歯、歯周外科をする際に滅菌設備の整った手術室でオペ着に着替えて治療していない歯科医院は感染しやすい環境にあるので治療結果が悪くなるから全てダメだ…と言われても仕方ありません。
高齢の患者さんの中にはラバーダムがとても無理な人もいますし、嘔吐反射が酷い方もいらっしゃいます。
それらの方に極端な不安を与えないように、
“やらないよりはやった方が良い”、治療に自信のない歯科医師や自由診療に移行する症例ではやった方が良い・・・くらいの考えでは駄目でしょうかねぇ?
患者さんの中でも歯科治療に詳しい方は、根の治療(根管治療)の際に、ラバーダムをしないと不安だと思う事があるかもしれませんね
今日は、ラバーダム防湿についてお話しします。
ラバーダム防湿をするからと言って「自由診療」となり保険がきかないというわけではありません。(マイクロスコープも同じで保険治療で使用している歯科医師は沢山います。)
先に結論を言うと、ラバーダム防湿はやらないよりはやった方が良いけれども丁寧に隔壁を作って唾液の侵入に気をつけ、慎重に根管洗浄薬液を使い充分に超音波洗浄を行いながら治療をすすめれば、ラバーダム防湿をしなくてもさほど治療の成功率は変わらないと思います。
勿論、生体親和性の良い充填材で緊密に根尖および根管を封鎖することは言うまでもありません。
(また、ラバーダム防湿をしても、ラバーと歯の境目から唾液や薬液が漏れるという論文もあり歯とラバーの隙間を塞ぐ為の接着剤を使用する方が良いという意見もあります。)
 言い換えれば、
ラバーダム防湿をすれば、絶対に根管治療は成功するというわけではないし、ラバーダム防湿をしないと絶対に治療は失敗するわけでもありません。
よく、ラバーダム防湿をしない保険の根管治療の成功率は50%以下だという歯科医師もいますが、20年以上ラバーダム防湿無しで根管治療をして来た自分の歯科医院ではそんな事は絶対ありません。
そもそも、「ラバーダムをすれば滅菌状態になる」と勘違いしている患者さんもいるようですが、ラバーダム防湿の目的
・唾液中の感染源となり得るばい菌や汚れが治療対象の歯に入りにくくすること。
・治療に使用する器具が口腔内に落下することを防ぐこと。
・治療に使用する薬剤等が口腔内に漏れることを防ぐこと。
です。
ですから、根管治療の際にラバーダム防湿をしてくれる歯科医師は良心的であるとは思います。
当歯科医院は、患者さんの希望があれば「ラバーダム防湿」をします。治療の際に申し付けください。
 ちなみに、実際のところ根管治療の成功の鍵
・根管内から起炎物質をできるだけ除去すること。
・感染経路を遮断すること。
この2点です。
問題は後半の「感染経路の遮断」です。
せっかくラバーダム防湿をしっかりやっても、
治療の途中の仮詰めが封鎖性の弱い物だったり、外れてしまったりすれば意味がありません。
したがって、次回の予約まで固いセメントでしっかり塞いだり仮歯を作ることが大切になります。
更に、最近ではコロナルリーケージとか、マイクロリーケージという話もよく聞くようになりました。
1995年に Ray & Tropeが発表した「根管充填の質よりも歯冠修復の質の方が、歯内療法の予後に与える影響が大きい」
という報告です。
つまりは、ラバーダム防湿をやったとしても、所詮2次的なむし歯を作り易いと言われる保険治療の被せ物や詰め物では歯冠側からの漏洩を遮断することが難しいので再感染を起こす可能性が高いという結論です。
保険治療でラバーダム防湿を希望する患者さん。
どうしますか?(笑)