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MTAを用いた治療

ひと昔前の歯科治療では、根の部分にヒビが入り割れかけていたり穴が空いてしまった歯の場合は、抜歯するケースがほとんどでした。
欠損部をインプラントにした場合、1歯部分¥40万以上の治療費がかかります。
「あるふぁ歯科」では、2016年頃からバイオセラミック材料を用いた歯根破折の治療パーフォレーション(穴があいてしまった根)の修復保存を行い経過を追って来ました。
最初は試行錯誤でしたが、治療体制が整いつつあるのでこれから積極的に行なっていこうと思います。
基本的に使用する歯科材料は、水酸化カルシウムMTAスーパーボンドとなります。
破折状況や穴の空いた位置により使い分け或いは併用して治療を行ないます。
スーパーボンドは、4-META/TBB MMAレジンと呼ばれる医療用の接着剤で生態親和性が非常に高いのが特徴です。
MTAセメントは、組織刺激により穿孔部に新たにセメント質を形成し封鎖する目的で使用します。
当歯科医院では1歯あたり
破折歯の修復:¥30000
歯根の穴の封鎖:¥10000
で行ないます。
尚、完全に割れてしまった歯に関しては治療後の予測が難しい為、原則的に抜歯適応とさせていただきます。
また、万が一治療後に抜歯適応に移行した場合、隣在歯が修復処置の既往がなく健全な歯であればインプラント治療を第一選択肢としてお勧めし、隣在歯が修復されていた場合は保険外材料を用いたブリッジ修復を優先治療とします。
その際には抜歯した歯の治療代分を割引きさせていただきます。
MTAセメントは近年の歯科治療に革新をもたらした歯科材料のひとつです。
順を追って使い方を説明していきます。
まずひとつは深いむし歯を治療する際に使用するパターン。
今まで多くの歯科医師が出来るだけ神経を取らないで深いむし歯を治す方法はないだろうか?…と色々模索して来ました。
過去の治療法で有名な物は、
3-mixあるいは3-mixMP法
ドックベストセメント
だと思います。(もう時代遅れですね。)
3mixは、基本的には数種類の抗生剤を混ぜた物をむし歯の上に敷き、その抗菌作用によってむし歯菌を死滅させそれ以上進まなくしてしまおうという物。
ドックベストセメントは、セメントの持つ"銅イオン”により抗菌効果を狙った物です。
両者とも日本国内での保険治療に於いて認可が降りていないので自由診療扱いになり、その上に詰めたり被せたりする治療も自費になります。
「良い物であれば使った方が良い!」のですが、さすがに長い間の経過を追うと期待していたほどの効果は無く、「患者さんに高いお金を払ってまで使用する物ではないなぁ。」というのが正直な感想です。
誤った捉え方になるかもしれませんが、ちょっとでも自由診療を増やして、患者さんから治療費を多く貰いたい歯科医師にはウケが良かったと思います。
効果については全否定はしません。
何故なら、「あるふぁ歯科」では別の使い方で3mixは今でも使用しているからです。
ドックベストに関しては、それなら昔から国内にあったカッパーシールセメントで充分だったはずなのでわざわざ自費診療にする意味は無いと判断しています。
MTAセメントはこれらと全く作用機序が異なりますが、患者さんにとっては多少高価な治療となっても非常に有益であると判断しています。
現在では様々な改良品が開発され、今後ますます楽しみな歯科材料となっています。
MTAセメントは硬化の初期段階に於いて強アルカリ(ph12)を示す為、殺菌作用があります。(ほとんどの細菌はph9.5で破壊されると言われております)
基本的にむし歯治療ではこれ以上むし歯が進まないように汚染された層を全て取り除くのが原則とされておりますが、僅かな取り残しがあったとしても殺菌効果が働く可能性があるのです。
更に組織を刺激することによる硬組織形成作用があり、神経自体が内側から象牙質の層を修復して壁を作っていく効果も持ち合わせているのです。
そして更に、万が一治療中に神経が露出してしまった場合でも神経を残せる可能性があるのです。
生体親和性が良く拒絶反応が非常に少ないので神経に直接触れるように使用しても神経が生き続けるだけでなく、血管および象牙質を再生させる機能を持つことが解ってきたからです。
(但し、神経が感染していたり炎症がある場合には難しいです。)
最近では日本で認可の降りた保険診療で使えるMTA系のセメントも出て来ましたが、臨床的な成績がまだ確立されていない為に効果に不安が残ります。
当歯科医院では¥7000の料金で行います。
日本の歯科保険治療最も効率が悪く採算が合わないものが"根管治療"でしょう。(あくまでも真面目にやった場合です。)
少し前までは、同じ診療所内で同じ歯科医師が行うのに保険の根管治療と自由診療の根管治療があることに同じ歯科医師としてもの凄く“違和感"を感じていました。
しかし長い間続いてきた歯科保険診療の改定内容を考えると、もうこの国自体が歯科医療を見捨てているようにも思えます。
以前もお話ししたように、患者さんに判り安いようにラバーダム防湿やマイクロスコープを保険治療と差別化して行い自由診療に誘導する歯科医師が増えているようですが、実は本当の“武器”になるのはMTAセメントなのです。
MTAセメントは高いPH(強アルカリ)になる為に、目に見えない複雑な根管の中のバイ菌を死滅させる効果が期待できます。
また、象牙質は非常に細い管状構造をしている為に本来根管の封鎖は難しいのですが、MTAセメントの粒子は更に小さいので中に入り込み素早く硬化して硬組織を形成し高い封鎖性を保ちます。
この事は、ラバーダムの説明でお話ししたマイクロリーケージを防ぐためにも根管治療の中で大切な課題なのです。
したがって、適切な根管洗浄の後にMTAセメント根管を封鎖することが現在では最も理想的な治療法と言えます。
付け加えて、今日の保険材料の中でこんなに有効な根管材料はありません
そして残念ながら日本の保険診療ではMTAセメントによる根管治療は認可されていません。
私が個人的にずっと前から望んでいるのが、このMTAセメントの保険治療導入なのです。何故ならMTAセメントを使用して根管治療を行なった場合は、必然的にそのあとの被せ物まで自由診療扱いになってしまうからです。
MTAセメントによる根管治療は、ご相談ください。
当歯科医院では1根管¥10000にて行います。
前歯、小臼歯:¥10000〜¥20000
大臼歯(奥歯):¥30000〜¥40000